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東京大学教養学部前期課程自主ゼミ「科学としての政策立案入門」

【そのまま官僚になって、政策作れますか?】

一年ほど前、経済産業省の若手官僚達が執筆したレポートが注目を集めました。しかし、このレポートは問題設定や結論が漠然としており、それぞれの専門家からの多くの批判に、執筆した官僚達は反省を余儀無くされています。つまり、事実を確認し、分析するという社会科学の極めて当たり前な作法を、経産省の中堅クラスの官僚ですら心得ていなかったということを世に示す結果となったのです。

ではどのようにすれば良いのでしょうか?

その答えの一つが、EBPM(Evidence-Based Policy Making)の素養を身につけることです。
ここで考えなければいけないことは、EBPMにおける「エビデンス」といっても様々なものありどのようなものを「エビデンス」と捉えるべきかです。

東京大学大学院経済学研究科の川口大司教授は、RIETIのコラムでエビデンスについて、現状を的確にとらえるものと政策の効果を因果関係の意味で推定するものの2つがあると紹介しています。*1
後者は「相関や、時系列的変化など、単なる観察結果ではない、結果の一般化可能なデータを用いた統計的分析や社会実験(RCT)による、因果関係に関する、実証的根拠」*2 等とも表現されます。
これらのエビデンスにより、直接的に政策の効果検証ができ非常に有用だと考えられます。そのため、実際の政策形成に活かすために、統計的因果推論の枠組みに則った資料を理解する能力が求められます。
もっとも、実際の人間社会を相手にする場合、上記のような資料が揃わないこともあります。その際でも、従来のように偏った自分の経験や思いつきに基づくいい加減な意思決定や政策決定をすることは避けなければなりません。そのために、統計的因果推論の枠組みに則った文献に準じた定量的な資料や科学的根拠に基づいた資料も用いて合理的意思決定ができるよう幅広い教養とリサーチスキル等の分析能力も養う必要があります。先程の定義にもあった「現状を的確にとらえる」エビデンスはこのような場合に有効になると考えています。
実際に実証的証拠以外もエビデンスに含まれていることがあります。例えば、イギリスのシンクタンク Overseas Development Institute は、実証分析のみに拘らず体系的に集められた証拠を“Evidence”とすべきとしています。*3 またアメリカ政府は“Commission on Evidence-Based Policymaking” という声明を2017年に表明しており、統計的目的を持った統計的活動により得られた情報と定義しています。これは広く記述統計も含むものであり、個人や単一の組織に関する情報のみを収集するのではなく適切な手法により大きな集団から広くデータを抽出することが肝心だと述べられています。*4

以上で述べた実証的根拠を理解する能力とそれ以外にも幅広くリサーチを行い現状を的確に捉える能力は、何も官僚のみに求められるものではありません。これらの能力を涵養するなかで、現代のリベラルアーツとも言える文献リサーチ能力と論理的思考能力を鍛えることができるからです。
そして、これらの能力は、あらゆる学問に応用が効くと同時に、学生のように権威や権力がなくても、社会や政治を動かすことが可能になります。なぜなら、EPBMはデータとロジック、科学的手法に基づいているからです。

さて、本ゼミでは、週1コマの時間ながら、瀧本哲史氏とともに、EBPMを学んでゆきます。通常の一方通行な座学ではなく、理論を実際の問題に自ら当てはめ、問題の発見と解決を試みます。またその際、瀧本先生はもちろん、様々な科類の人たちとの活発な議論を通じ、自らのアウトプットを磨いてゆきます。

*1 川口大司, 2017年11月16日掲載RIETIコラム「エビデンスに基づく政策形成の実践に向けて」URL:https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0488.html)
*2 山口一男, RIETI-EBPMシンポジウム 2017年12月19日プレゼンテーション資料「実証的根拠(エビデンス) に基づく政策の必要性と その実現について」URL:https://www.rieti.go.jp/…/even…/17121901/pdf/0_yamaguchi.pdf(最終アクセス 2018/4/9)
*3 Sophie Sutcliffe, Julius Court “Toolkit for Progressive Policymakers in Developing Countries”. Research and Policy in Development Programme . ,Overseas Development Institute. ,2006.
*4 “THE PROMISE OF EVIDENCE-BASED POLICYMAKING”. Report of the Commission on Evidence-Based Policymaking. ,2017.

UmeeT2018.04.06【瀧本哲史インタビュー】法学部から官僚になるのは「バカな」選択なのか?http://todai-umeet.com/article/32748/

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※東京大学教養学部前期課程所属の1,2年生を対象としたゼミナールです。
※受講希望の方は下記Googleフォームより受講登録をお願いいたします。

日本政策創造基盤

日本政策創造基盤は、エビデンスに基づく社会問題の解決を目指し瀧本ゼミ政策分析パートで生まれた社会問題の解決策を実行に移すNPOです。弊団体と合同新歓を行なっています。詳しくはこちら

日本政策創造基盤(JaSSK)は、「エビデンスに基づく政策提言を通じて社会に貢献する」という理念のもと、学生自ら政策を立案し、その実現に向けて企業・行政等に政策提言をするNPO法人です。
実は世の中には、「解決可能にも関わらず放置されている社会課題」が数多く存在します。 例えば、日本では毎日多くの人が心停止で命を失っており、その数は年間7万人に登ります。 AEDを用いた電気ショックを行うことで、心停止患者の約半数を救うことができますが、AEDの使用率は平成25年時点ではわずか3.7%に過ぎませんでした。
我々は、このような重要かつ解決可能な社会課題を発見し、徹底的な文献調査、ヒアリングを元に実行可能性の高い解決プランを立案します。さらには、その解決プランを企業・行政等に適切に発信することを通じて、社会課題の解決に貢献します。(日本政策創造基盤HPより)

東京瀧本ゼミ企業分析パート

東京瀧本ゼミ政策分析パートの姉妹団体です。詳しくはこちら

本パートは、好きな上場企業を選んで、その会社が「買い」なのか「売り」なのか意思決定を下し相手を説得する、というゲームをしています。そのためのリサーチと、投資家を交えてリサーチ結果を共有する報告会が主な活動内容です。報告会は2017年現在、東京大学の駒場・本郷キャンパスにて毎週水曜日19:00~に行っています。その他にも過去には外資系投資銀行のBarclaysと共同で投資勉強会を主催しました。

 入ゼミ希望者の大学/学年/学部/投資経験は一切不問です。学部1年生から院生まで、法学部、経済学部から工学部、医学部まで、幅広い分野から学生が集まっています。東工大、筑波、早稲田、慶應、ICU、上智などの学生もゼミに在籍しています。(企業分析パートHPより)

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京都瀧本ゼミ

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京都瀧本ゼミは、京都大学を拠点に活動する企業分析・株式投資サークルです。

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